タイ・バンコク 不動産

タイで一軒家を買いたい人が必ず知っておくべきこと

[はじめに]

年中温暖な気候で優しい人が多く「微笑みの国」としても知られるタイ。日本からの距離も比較的近く、食事や治安の面でも、日本人にとって住みやすい場所として人気があります。その魅力から、「いつか移住してみたい」と考える人が多い国のひとつです。
しかし実は、タイで「一軒家」を購入することは容易ではありません。事前に知っておかなければならない、法律上の規制があるのです。その内容をしっかり押さえておかなければ、大きな落とし穴にはまってしまうことも…憧れの海外生活を失敗しないために、事前に十分確認しておきましょう。

[タイで土地は購入できない!?]

実はタイの法律上、日本人を含め外国人は基本的に土地を購入することができません。外国人名義では、戸建の住宅を登記できないルールになっているのです。ですので、多くの外国人はコンドミニアム(マンション)タイプの住宅を購入しています。
ただし、投資資金として4000万バーツ(約1億3000万円)を保有しており、大臣からの承認を得る等の条件をクリアしていれば、土地を購入できるという特例はあります。つまり、タイで土地を買い一軒家を建てられるのは、相当の資産家のみといえるのが現状なのです。

[実際に起こっている詐欺被害]

タイで一軒家の購入を希望する人に多いのが、タイ人の恋人もしくは妻(夫)と一緒に暮らすための家を建てようと考えているケースです。パートナーがタイ国籍を所有していれば、パートナー名義で土地を購入し、一軒家を建てることはもちろん可能です。しかしここに、これまで多くの日本人が経験した詐欺ともいえる被害が潜んでいるのです。「いざ住宅が完成し、移り住もうと現地に行ってみれば、別の知らない人が住んでいた」「住宅には既にパートナーの家族が住んでいて、追い帰された」といった話は、決して珍しいことではありません。また、こうしたケースでは、あなたとパートナー間の同意の上で彼女(彼)名義の住宅を建てているため、詐欺だと訴えて救済を望むことは現実的に難しいのです。
「そんなこと自分の場合あり得ない」と思っていても、実際過去に何度もこのような事例が起きているのは事実です。どれほど信頼している相手とはいえ、もし自分以外の名義で住宅を購入するのであれば、細心の注意を払う必要があるでしょう。
また、購入理由がタイ国籍のパートナーと暮らすためでない場合には、「名義貸し」を考える人も多いのではないでしょうか。東南アジアの一部の国では、今でも名義貸しがまかり通っているところも確かにあります。しかし、タイでは土地購入のために「現地人の名義貸し」をすることは法律で禁止されています。もしそういった話があっても、安易に乗らないようにしましょう。

[おわりに]

以上のように、タイで一軒家を購入することは、実は簡単ではありません。現地の法律やルールを知らないまま行動することは、詐欺被害にあったり知らぬ間に法律違反を犯してしまうなど、大きなリスクを伴います。住宅購入を検討する場合には、事前に十分情報収集し、信頼できる不動産会社や専門家に相談することをおすすめします。”